それが、物や音楽だったりする場合、どのように
その対象と接しているかがポイントになる。
読書の場合、一番レベルの低い読み方が、
登場人物に自分を置き換えてしまうような読み方。
その次が感情移入の割合が多くなってしまう読み方。
その次が内容では無く、作者を気にしながら読んでしまう読み方。
良い読み方は作品に対する自分なりの解釈を持てる読み方。
ということらしい。
それが食べ物、音楽、芸術、スポーツ等の趣味、嗜好にも
けっこう当てはめられる。
音楽に例えると、あるバンドを好きになったと自覚した時に、
最初は夢中であらゆる作品を聞きあさり、情報を集めたりする
のだけど、気がつけばある音楽に関しては、周りと比べて自分
の情報量が多いと気がつくことになる。
その後の成長度は人それぞれにしても、読書のレベルの話が
そっくりそのまま当てはめられる。
最低から当てはめていくと、音楽の場合は、そのバンド自体が
直接自分の存在価値や、プライドと密接に繋がっているような
錯覚を持ってしまい、そのバンドの悪口を聞こうものなら、自分が
批判されたかのように、必死で討論したり、気分を害したり。
何故かこっちのタイプの方が熱心なファンが多い気がする。
自分にとっても、そういう時代はあったので、書いていても
ちょっと恥ずかしくなる。
その次は、学生時代の思い出等と密接に繋げてしまっているため、
そのバンドの音楽的な価値がどうなのか等をあまり考えず、手放しで
受け入れてしまっている状態。このタイプは音楽は最近聞いてないけど
あの頃流行った〜〜で止まってしまっているタイプに多い。
日本ではある時期から大人が音楽から離れる傾向があるみたいだけど、
音楽は人生に必要です。カラオケとは別に、良い音楽を聴くことは
精神的にも肉体的にも健康に良いのでお勧め。
その次は、ある有名な固有名詞が出て来ると、なにがなんでも
素晴らしくて、あれが理解できないんじゃ始まらないみたいな
ことを言ったり、その逆で、聞いてもいないのに自分には関係ない
と決めがちな、権威主義的な聞き方が多い。
この手の人達は音楽に興味もあるし、詳しかったりもするんだけど、
本人達が思うより音楽に精通している訳ではないので、もう少し
謙虚であって欲しいと切に願う。
脳の構造上、知識と慣れによって作られた気持ちの良さは、
疑う余地が無さそうに感じることもあるが、その業界の発展を
願うのであれば、もっとオープンマインドであるべき。
そして、そもそもその知識のソースの信憑性も何度か
疑ってかかることも必要。
そして最後は、ほぼ職業音楽家でなければ難しいのだけれど、
作品を聞いて、その国の歴史的背景もふまえて、本来のテーマが
どこから来て、それをどの様にアレンジしているか?
そのタイミングでその作品を発表することにどのような意味が
あるのか?そして他に方法はなかったのか?
等を踏まえて、作品の真の価値に迫ること。
読書にしろ、音楽を聴くにしろ、ここで取り上げてみた
良い接し方をするのは簡単なことでは無いのだけれども、
それを知る事で得られる楽しみは、かけた時間が長ければ
長いほど価値があるもになる。
そして"大人"であれば、自分だけのことでは無く、
そんな楽しみを与えてくれる業界のことも頭に入れて
応援するなり、楽しむなりしてもらいたい。
そういう人が増えれば、音楽業界で働く人々を
ただ好奇な目で見るだけでは無く、社会人の仲間
として見れるようになれるだろうし、日々接する事が
多い音楽で、不快な気持ちになる機会も少なくなるだろう。