2016年07月11日

瀬川信二の『これを聴け!』私的アウトロー・カントリーの 名盤紹介 V0l.01

初回ということで、できるだけ入り口、アウトロー・カントリーへの導入として、
判りやすいアルバムを選ぼうという考えが一瞬頭をよぎったものの、
政治も選挙も、もちろん音楽も、あらゆる分野において『わかりやすさ』は、
誤解を多く伴う危険性が高いので、
『僕にとって素晴らしいアルバム』を紹介することにしましょう。

タイトルに『私的』と書いたものの、僕の『私的』はアウトローの魂の根本を理解した上での『私的』なので、大いに信用してもらって問題ないと自負しています。

今回は、とにかく『絶対に外せない』4枚に絞ってみました:

"At Folsom Prison" Johnny Cash
"Red Headed Stranger" Willie Nelson
"Wanted! The Outlaws" Waylon Jennings, Willie Nelson, Jessi Colter, Tompall Glaser
"Jesus Was a Capricorn" Kris Kristofferson

この4枚を知っていたら日本の政治ももっと変わるはずです!

まずは『At Folsom Prison 』。ジョニー・キャッシュの復帰作はかなり大胆な刑務所での慰問のライブ録音だったのです。所属するレコード会社の賛同を得られず、自費で録音を敢行!!結果、その年のアメリカでのレコード・セールスで、ビートルズの『アビーロード』を上回るほど。売り上げはどうでも良いとしても、囚人には囚人になる原因があって、それを作ってるのは社会である。犯した罪は償わなくてはならないけど、人間とし扱われる権利はあるはずだ!そんな声が聞こえてくるようなアルバムです。ロック・ファンには、カール・パーキンスの素晴らしいギターを楽しめたりもします。詳細は映画『ウォーク・ザ・ライン』か、ジョニー・キャッシュの『At Folsom Prison』のボックスセットについてくるDVDで!

そして僕が敬愛するウィリー・ネルソンの、『Red Headed Stranger』!シンプルな構成。自由で大胆な演奏。オーバー・プロデュースによる血の通わない音楽への決別。何よりも素晴らしいのは、コンセプト・アルバムとして、ある牧師の人生を語るのに、自身のオリジナルだけではなく、沢山の古いカバー曲を演奏し、同じ歌詞でも前後関係によって、全く違う意味を持たせることができることを証明し、先輩ミュージシャンへのスマートな恩返しを提案しました。このアルバムは何故だか一人でゆっくり聞きたくなります。

アウトロー・ムーブメントを軌道に乗せたアルバムは、間違いなく
『Wanted! The Outlaws』でしょう。このころカントリー界でしか活動出来ていなかったウェイロン・ジェニングス、その親友でピンボール友達だったトンパル・グレイザー、のちにウェイロンに欠かせないパートナーになるウィリー・ネルソン、そして、ウェイロンの奥さんであり、すでにポップ・チャートも賑わせていた、アウトローの『ファースト・レディー』、ジェシー・コルター。関係性を見てもわかる通り、ウェイロンを「どうにかしてあげたい」友達が集まって、本当に「どうにかしてしまった」アルバムなんです!このアルバムの成功以降、ウェイロンがアウトローの核として活動範囲をどんどん広げていくようになります。

そして、日本で一番過小評価されているかもしれない、クリス・クリストファーソンの『Jesus Was a Capricorn』です。アルバムを通してダークでデカダンな雰囲気が充満しているので、ただでさえアウトローなのに、その中できっと最もアウトローな、カントリー音楽です。歌いあげるわけでもなく、派手な音源が入っているわけでもないのでパッと聴いただけでは日本人にはわかり辛いかもですが、注意深く耳を傾けて、歌詞が持つ意味に思いを巡らせてみると鳥肌が立つでしょう。歌詞が直接的に入ってこない日本人にとって、このアルバムがどうしてカントリーチャートの1位になったか考えてみるのも楽しみの一つです。当然ですが演奏の質の高さも聴きどころです!
posted by shinjibass at 02:10| Comment(0) | アルバムレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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